Chain〜切れない鎖〜

一馬の名前を呼びながら、廊下を猛ダッシュした。
何回も転びかけたけど、体勢を整えた。


あと少し…
あと少しなんだから!



目の前に一馬が見える。
そのほんのり茶色い髪に触れたい。
その大きな手を握りたい。
その頑丈な背中に飛び付きたい。





あと数メートル。

あと数センチ。

そして…





「一馬ぁ!」

大好きな一馬の名前を呼びながら、その大きな手を握った。

あたしを振り返り、

「うるせぇよ」

そう言って笑う一馬はいつもの優しい一馬のままだった。



そのいたずらな笑顔。
優しい眼差し。
あたしは今の一馬を信じてる。