席を取られて呆然と立つ隼人の隣で、一馬はゲームのボタンを叩いた。

クレーンは滑らかに動き、もげそうなくらいしっかりとうさぎの首を掴む。
そして、仲間の場所から離れることを嫌がっていたうさぎを、いとも簡単に持ち上げた。
クレーンが再び開いた時、景品口にうさぎが転がり込む柔らかな音が鳴り響いた。


「ブ…ブラボー」

隼人はそれだけ言うのがやっとだった。