ストローを回すたび、からんからんと澄んだ氷の音が聞こえた。


一馬たちはまだ出てこない。

それでもあたしは大丈夫だった。




あれだけ恐ろしかった不良のアジト。

もう怖くはなかった。






「黒鷲というチームから、俺はリンチされていた」

亮太の声が静かな喫茶店に響いていた。


他の不良たちもざわざわ話をするのだが、どうしてもあたしたち二人が気になるらしく、ちらちら視線を感じていた。