Chain〜切れない鎖〜

「ねぇ、亮太?」

一馬たちがいなくなってから、幼げな不良のご機嫌をとろうと必死であやした。

それでも彼はソファーに丸まり、まるで猫のようにそっぽを向いた。




周りにいる不良たちが、心配そうにあたしたちの様子を伺っている。

あたしに至っては、物珍しそうな視線の方が多かったのかもしれない。

ただ、誰一人として話しかけて来る人はいなかった。




それは一馬を恐れているのかもしれないし、あたしみたいなダサい女に興味がないだけかもしれない。