Chain〜切れない鎖〜

さっきまで目をキラキラさせていた亮太の顔が、明らかに曇っていた。

虚ろな表情で一馬を見上げてこう言った。



「なんで…俺が…」





なんでって言いたいのはあたしの方なのに。

不良のアジトに連れてかれて、不良の渦の中に放置されるなんて。



だけど、あたしから着いていくなんて言ったため、ただ黙って言うことを聞くしかなかった。







「悪い。後でアイスおごってやるから」

一馬はまるで子供をなだめるように言って、京司と奥の扉に消えていった。




残されたあたしと亮太は、ただ呆然と閉められたドアを見つめることしか出来なかった。