「…それで。
…てめぇら何しに来たんだよ」

イライラした一馬の声で現実に返る。



これ以上一馬を焦らしたら危ない。

そう考えたのはあたしだけではなかった。





京司がおもむろに口を開く。

「あのバイクを使うのは危険だと思って、代わりを持ってきたんッス」

「あぁ。そうだろうな」

そう突っぱねるように言う一馬。
あのいかにもヤンキーとでもいう、バイクの文句を言っていた。

あのバイクは明らかに一馬様のお気に召さなかったみたいだ。

普通なら「気がきくな」なんて言ったかもしれない。



でも、ピンクムードを止めた代償は大きかった。