たかが喧嘩。
たかが縄張り争いで、一人の人間をここまで傷つけるなんて。

神原さんは一命を取りとめたが、もし…



目の前の穏やかな顔の神原さんを見ると、そんなこと考えたくもなくなった。

それと引き換えに、激しい怒りが沸き起こるのだった。






一馬にバレないように、一馬を見る。

傷ついた神原さんを見て、心痛そうに顔を歪めていた。



一馬は何を考えているのだろう。
どんな葛藤と戦っているんだろう。

一馬には危険な目に遭ってほしくない。
それでも、神原さんをこのままにしておく訳にはいかないような気がした。