「…誘ってんのかよ」

唇を離した瞬間漏れた言葉に飛び上がる。


いつの間に起きたんだ?
それとも狸寝入り?



「ちが…」

心臓をバクバク言わせながら、焦って否定しようとしたあたしを、一馬はニヤニヤして見つめた。
それがやっぱりかっこ良くて、あたしは昇天してしまいそうだった。




照れ隠しにほっぺたを膨らませ、思いっきり睨み付ける。


「…確信犯かよ」

何が確信犯なのか分からない。
それでも一馬は困ったようにそう言った。