不良たちの前に来ると、一馬よりも少し大きい赤髪を掴み上げる。

胸ぐらを掴まれてじたばたもがく赤髪が、少し哀れだった。



「邪魔なのは、てめぇらだ」

そう吐き捨てるように言った一馬に、あたしまで震え上がった。





そこにいるのはあたしの知っている、優しい一馬じゃない。

全身に怒りをみなぎらせた一馬。
恐怖の王として君臨していた頃の一馬、そのものだった。