何かの思い違いってよくあることだ。

勘違い。
見当違い。
人違い。

そうであって欲しいと真剣に願った。




でも、やっぱり彼は冷たい目であたしを見ていた。
全身に震えが走るような。

「かずくん」

震える唇から自然と声が漏れる。
なに言ってんだろうと心底呆れた。




そして、返ってきた言葉は、その綺麗な顔から発せられた言葉は、身体中に寒気が走るようなものだった。


「うぜぇ」


かずくんは表情一つ変えず、そう言い放った。