仕方なく、早めに支度をして学校へ向かう。

いつもより一時間早く家を出るあたしを、寝ぼけ眼のお父さんが珍しそうに眺めていた。





少し温かくなった春の風が桜の花びらを巻き上げている。
鳥の嬉しそうな囀りが聞こえる。

その中を少しワクワクしながら歩いた。



殺風景な冬から鮮やかな春になるように、何かが変わる。

そんな予感がしていた。