「華原君ありがとう。あ、試合頑張ってね!」
「あ、ああ」
「行こう、結衣」
私の腕を掴んで伊織ちゃんが連れ出す。
助けて……くれたんだね。
後ろで見てるって言ってたもん。
きっと察して来てくれたんだ。
「伊織ちゃん……ありがとう」
ズンズンと私を連れて歩く伊織ちゃんにお礼を言うと、伊織ちゃんは歩きながら話す。
「もしかして今の、華原君の彼女?」
「……多分」
華原君を親しく呼んでたし、何より華原君の対応があの電話の時と似てるから。
「私は結衣の味方だからね」
「…っ…ありがとう」
ここに伊織ちゃんがいてくれて良かった。
今まで相談もしなかった私の味方になってくれると言ってくれてありがとう。
何も言わないでも気持ちをわかってくれて、ありがとう。



