恋の唄



「一花、お前どうしてここにいんだよ」

「ひどいよその言い方っ。せっかく応援に来たのに!」


今度は泣きそうな顔で華原君を睨んだ。

すると華原君は焦ったように彼女のそばに寄る。


「あー、違うって。驚いただけだからさ」


宥めるように一花さんの頭を優しく撫でた。


胸が、痛い。


一花さんが私を再び視界に捉えると、唇を動かした。


「この人誰?」


疑いの眼差し。


華原君が慌てて私を紹介する。


「こいつはクラスの友達で応援に来てくれたんだよ。なっ?」


痛みを堪えて私は頷き、名乗ろうとした刹那、伊織ちゃんが私の隣りに駆け寄った。


「あーっ! やっと見つけたよ結衣っ。ああ、華原君に場所を聞いてたの? もう、この子ってばすぐに迷子になるんだからー」

「伊織ちゃん……」


伊織ちゃんは華原君に笑みを向けた。