「席が隣りだから、自然と」 ありきたりな回答に伊織ちゃんは私を疑いの目で見てから「まぁいっか」と言った。 「にしてもまさか華原君にバレてたなんて」 言って、歩き出した伊織ちゃんの横に並んで歩く。 「でも良かったね。真柴君と仲良くなれるかもしれないよ?」 「そんなうまく行くかなぁ」 不安そうな伊織ちゃんに私は大丈夫だよと応援を口にして、2人でいつものように学校をあとにした。 まだ陽の高い空に、楽しみな気持ちを持ちながら。