恋の唄




翌日、あまり寝れてないのが影響してるのか、俺はぼんやりとしたまま目を覚ました。


「……夢、じゃねーよな」


零して音にすれば、聞こえてくるリアルさに落胆する。

わかってんだ。

そんな都合良く夢になんかならない。

結衣の声が聞けなくなったこの世界は、現実のものなんだ。

だって、寝起きだってのにホラ……


嫌でもリアルに思い出しちまう。


あの瞬間を。