恋の唄



「……帰るか」


ひとり言を漏らして立ち上がる。

教室を見渡して、お前がどこかに立ってるんじゃないかって思って。

だけどいるはずもなく、その現実に鼻の奥がツンとした。


昨日からこの繰り返し。

お前がいない現実を感じるたびに、苦しくなる。

どうしてこうなったのかと、もしかしたら俺のせいなんじゃないかと悔いて。


情けないほどお前を想い焦がれながら、教室をあとにした──‥