多分海は、俺に気を使って古賀に頼もうと思ったんだろうと、頭の片隅で直感した。


「天音の家の手伝いをするんだと」


ああ……そーいや、今朝、病院で会った時にそんな話してたっけ。


「とにかく、明日よろしくな。時間とかはまた後でメールか電話で」


海はそう言って切り上げると、開け放たれていたロッカーの扉を閉めた。


「ユウ」

「んー」

「……何でもない。じゃ、お先」

「おう、じゃあな」


ひらひらと手を振って部室を出て行く海を見送って、着替え終わった俺もロッカーを閉めた。