恋の唄



「それを疑ったのは試合を見に行った時。結衣ちゃん、あなたと会った日」


そこまで話すと、一花さんは一度口にアイスティーを含んだ。

コクリコクリと喉を潤して、一呼吸置くとまた唇を動かし語る。


「祐一郎のクラスメート。ただの友達だって紹介されたよね」


確認されて、私は思い出しながらひとつ頷いてみせた。


「だけど結衣ちゃん、あの時一瞬だけ悲しそうな瞳をしたの」


一花さんの瞳には、まるで私を責めているかのような強さがあって。

気付かせないでよと言われているようで、私は思わず俯いてしまった。


まだ終わることのない一花さんの声。

彼女の想い。


私はそれをただひたすら、逃さないようにと耳を傾け続けた──‥