恋の唄



ゆっくりと近づくと、女生徒の傘が動く。

隠れていた顔が現れて……


「結衣ちゃん、だよね」


名前を呼ばれる。


「……一花、さん」


やっぱり、そうだった。
そこに佇んでいたのは間違いなく一花さん。

忘れるはずはない。

それ程に、あの日私は衝撃を受けていたから。

私は急いで会釈する。


「華原君なら部活だと──」

「祐一郎に用事じゃないの」


ハッキリとした口調で一花さんが言って、そのまま続けられた言葉に私はただ頷いた。


「あなたと、話しがしたいの」