夕焼け、二人の影がアスファルトに伸びる。 私を家の前まで送ってくれた華原君は、到着と同時に「結衣」と私の名を呼んだ。 「なぁに?」 横に立つ華原君を見ようと体ごと向けようとした刹那── 体を強く包み込む感触。 時々華原君からほのかに香っていた香りが、今はいつもよりハッキリと感じられて…… 「俺、お前の隣りになれて良かった」 声の近さに、抱き締められてるのだと認識した。