ドキンッと心臓が反応して、再び視線を反らそうとしてしまった私だったけどせめて挨拶くらいはと考えてお辞儀でもしようと思ったら……

フイッ…と今度は華原君の方から視線を反らした。

何事も無かったかのように真柴君と会話を続けて。


何だかちょっとだけ傷ついた気持ちになって、やっぱり苦手だなぁと思う。

だけど私も同じようにしてしまったのだから、華原君を少なからず傷つけたのかもしれないと気付く。

そんな風に考え出したら私の頭の中に華原君の存在が居座ってしまって、意識していたせいか結局学校を出るまで私の瞳に再度、華原君の姿が映る事は無かった──‥