「それだけ?」


「そうよ?
他に何が有るかしら?
あなたを好きになるメリット…。」


灰皿に煙草を押し付けて、火を消した。

「でも……。
それって大事な事だと思わない?
一緒にいて、心から安心出来るのって。」


「はあ…。」


一回、コテンパンに落として、持ち上げる……それが、この人の恋愛法か?


「好きよ…?」


頬杖ついて、愛の告白。
でも、何故に疑問系なんだ?


まあ……いっか。


椅子から立ち上がって、後ろから座ったままの上川さんを抱きしめた。


「莉子……。」


耳元で名前を囁いて、そのままキスを落とした。