「質問に答えて。」

「嫌い……ではないです。」


「そう…。」


「でも…何故そんな質問を?」


「何でもないわ……。忘れてちょうだい。」



チーーン。



「もう…ここで、いいわ。
ホント。有難う。」

そう言いながらも、フラつく足元が、心配になった俺は、速足で、上川さんを追っかけて、肩に手を廻した。


「送ります。危ないですから…。」


「有難う…。」


バッグから鍵を出して、開ける。


「お茶でも…飲んでく?」