何事も無く、俺は月曜日を迎えた。

あの後、暫くあの辺りを歩くのは躊躇われたが、母にお使いを頼まれた時、仕方なく通ったときは、そこは平和に戻っていた。


「おはよ、鈴音!今日テスト返ってくるぜ!うっわ、緊張するぜ!」

「おはよ、つーか『!』使い過ぎでうぜェから、お前…」


お調子者の一人、加賀美伸(カガミ ノボル)が俺の後ろで色々喚き散らす。

こいつはいつも語尾に『!』が付いていると思う。


「ま、どうせ補習は決定だし、期待はしてねーよ」

「俺も俺も!英語なんてさ、Fineしか書いてないぜ!」

「そんな問題有ったか?」


俺達は騒がしく(いや、伸が煩いだけだ)教室に向かった。