夜統は思い出したように俺を見て、お粥が入っていた器を指差した。


「これ、礼言っといてくんね?何か俺、あの女に嫌われてるみてーだし」

「自分で言えよ。好感度上がるかも知れないじゃん」


俺がそう返すと、夜統は面倒臭そうに手をヒラヒラと振って、


「今更好感度なんか気にしてられっか。頼んだぜ、俺は寝る」

「ったく…」


言い方はぶっきらぼうだが、律儀に礼を言う辺り、なかなか悪い奴ではないと思う。
ただ、それ以外が目立つから損な性格をしている。


「頼まれたぜ、おやすみ」


俺は小さく呟いて、部屋を出た。