漸く森を抜け、目の前に広がる町並みを見ながら、俺達は顔を見合わせて笑った。

俺は思わず夜統の手を取り、感激して叫んでしまった。


「助かったな、俺達!」

「まだわかんねーだろ…俺等端から見たら何しでかすかわかんねー異国民だぞ」

「そっか、そうだな…」

喜びが一気にしぼみ、俯きながら溜息を吐いていると、



「貴様等! そこで何をしている!? 其処は禁域の森だぞ!」



と、案の定住民に怒鳴られ、あっという間にお縄に付いてしまった。




━━━━━…


「言え! あの森で何をしていた?」

「だぁから、俺等は気が付いたらあの森にいて、死に物狂いで出てきたんだってば!」


背中合わせに縄で拘束された俺達は、住民の男たち数人に怒鳴られていた。

全員髭が濃くてマッチョで、ギリシャ神話とかに出てくる戦士達のようだ。


「しかも見慣れない着物を着ているぞ。まさか、レイゼアの手先か!?」

「レイゼア?」


聞き慣れない単語を聞いて耳を疑った。

大体何なんだよ、俺達は何も知らないのに。

その時。


「何の騒ぎ? 今すぐ其処を退きなさい」


凛とした声が響いた。