俺が教室に戻ると、愛澤がポッキーを差し出しながら「遅かったじゃん」と言った。

まぁ、本来ならもう少し早く戻るつもりだったが、色々あったからな。

俺はポッキーを受け取りながら、ノロノロと席に着いた。


「しっかしやべェな! 俺追試受かんない気がするさ!」


伸の馬鹿みたいな言葉に、俺は勝ち誇ったように答えてやった。


「俺は最強の教師を確保したからな。追試なんかちょちょいのちょいだべ」

「Σえ!!」


そんな会話をしながら、俺は夜統を見た。

アイツは決まり悪そうに視線をずらしてから、カバンを掴んで教室から居なくなった。


──またサボリか。何しに学校来てんだよ、アイツは…


「そういえば、さっき夜統と一緒に戻ってきたよな? 仲良かったっけ? お前等」

「ん? あぁ。職員室で説教されてたから」


なんか成り行きで、俺はそう言いながら、時計の針を見た。

世界史意外は終わったからな……大体テスト返却されなくても、何点くらいかはわかる気がする…