「今は何を言っても信じて貰えねぇって
わかってるから、信じて欲しいから…

だから、結婚しよう?」



「……えっ?」



思いもよらない言葉に

息が停まりそうになった




「俺、今回の事でほんっとーに懲りた

誓ってミサキだけって言い切れる

だから…ずっと傍にいてくれよ」



「……嘘」



「本当だって」



そう言いながら

ポケットから小さな箱を取り出した



「これ預けてくから、ちゃんと考えてくれ」




戸惑ったままの私をそのままに

カズは部屋を後にした




ねぇ…本気なの?



1人になった部屋で小さな箱を開いた



小さな光る石がついた指輪



憧れてた…



結婚は先でいい
とか
もう少し、自由でいたい
それが口癖だったくせに…



だから…


カズといると貰えない物だと思ってた…




なのに…





そっと箱から取り出した




一度だけ…



一度だけ…



……いいよね?





そっと指に入れてみた