問いかけにゆっくりと顔を上げると
課題に目を向け、こちらを見ないカズ



「…うん…」




何て言ったらいいんだろう?



タクと会ってたなんて言えないよね…


「ふ~ん」


そう言いながら、筆記用具を終い始めた


「…終わったの?」



「あぁ、ありがとな」



そう言いながら渡される課題を
レポートの束の上に戻した



「でっ…決めたのか?」




…決めた?




「何…を?」




「彼氏か、俺か…」




あっ…そうだった…



「前にも言ったけど、学校で辛いなら
俺がずっと傍にいるから…

だから、俺にしとけよ?

なっ?」




「ちょっ…ちょっと待って!!!」



確かにカズは傍にいてくれた…



でも…色々なところで
愛想を振りまいてたでしょ?



けど、そんな事言えなくて俯くと
ギュッと温かい体温に抱きしめられる



「約束するって…
ずっと傍にいる」



最近、仕事が忙しい、疲れてる
そればっかり


長く付き合ってる所為か
マンネリ化してるから
久々の甘い雰囲気に…心が跳ねる


…ドキドキする





いつも優しいタク

いつも強引なカズ


同じところなんて…

似たところさえ1つもない2人



だからこそなのかな?



2人共に惹かれてた…




優柔不断な私だからこそ

余計に強引なカズに引き寄せられたんだ…



…どうすればいい?





これが…


夢なんかじゃなくて…



本当の奇跡なら…








1人になった部屋で思う事は



同じ事で…






疲れて…そのまま眠ってしまった