家に戻ると懐かしい部屋


懐かしい教材


レポート用紙…



テーブルの上の携帯が突然、鳴り響いた




「……も…しもし?」



名前ぐらい確認すべきだった後悔した



『もしもし?!
やっと繋がった!!!
電話も持たずにどこ行ってたんだよ?』




それはカズの声で…



えっ…?!



頭が混乱する…




「えっと…携帯、忘れて出かけてた」



やっと返事出来た私にお構いなしに続く



「そっか
それでさ、明日提出の課題出来た?」



携帯があったテーブル広げられたレポート


その近くにあった課題のプリントを
手にとってみる



「ん…何か出来てるみたい」



そこには私の文字が綴られてた



「やるじゃん
俺、忘れててさ
今から見せて貰いに行くわ」




「えっ?!

ちょっ…」



私の返事なんか聞かずに切れた電話


そう…いつもそうだった


カズはこうやって強引で…


だから、尚更タクと全く違ってて…



あの時の私はどちらも好きで

どちらを選ぶなんて出来なかったっけ…




そんな事を考えているとインターホンが鳴り響いた




こんな鳴らし方カズしかいない…



扉を開けるとやっぱりカズで…




「う~寒かった~!!

これなら持ってきて貰えば良かった」



そんな勝手な事を言いながら靴を脱ぎ捨て
当たり前のように部屋に入ってくる



仕方なく、いつものように並べ
私がキッチンに入ると
早々と課題に向かうカズ



小さくため息をつき
温かいコーヒーを用意して
カズの前に座った



カズは当たり前のようにコーヒーを啜ると
課題を黙々とこなしているから
私は邪魔をしないように
近くにあった雑誌を広げた




あぁ…確かにこんなの流行ってたなとか

あっコレ可愛くて私も買ったんだっけとか

すごく懐かしく思う


雑誌に没頭してた時だった



「今日どっか行ってたのか?」