カランカラン…。

お店のドアベルが鳴る。

それに気付いた彼があたしに近付いてきた。

『あっ、さっきのお客様…。お忘れ物ですか?』


『あ、あの…。あたし…。』


『はい…。』


『あっ、あなたに似合う女の子になるから!!』


あたしは緊張と彼への気持ちを抑えられず店内に響くくらい大きな声で叫んでしまった。周りにいた女の子達や幸せそうなカップルでにぎわっていたカフェが一瞬にして静まり返り、一気にあたしの方に視線を向ける。


あたしは周りの視線が恥ずかしくなりその言葉を告げると逃げるように走り去った。


『えっ!?ちょっと!?』


彼は何が起こったのかわからずただあたしの走り去る姿を見ていた。


それを見ていた未希がつぶやいた。


『何!?あの告白…。』


あたしの人生初めての告白は、

初めて行った「幸せな人が集まるカフェ」で…。


初めて会ったキラキラ輝く彼を好きになって…。


女の子達や幸せなカップルの視線を浴びながら…。


あたしが想う彼への気持ちをいっぱい、いっぱい感じながら…。


今、終わったぁ…。