途端に二人の門番は口をあんぐりと開けた。


しばらくその状態だったが、ロットが冗談を言っているわけではないと分かったらしい。


すぐにサスティンに向き直ると背筋をピンと伸ばした。


「先程の失礼をお許し下さい。アルバネス家の方様とは思わず、とんだご無礼、申し訳ありませんでした」

よく通る、はっきりとした口調でそう言うと、二人は深々と頭を下げた。


その光景にエセルとフェリアの二人だけが呆然と立ち尽くしている。


「いや…」


サスティンは苦笑しながら、二人の門番に言った。

そして隣に立っているロットを怪訝そうに肘で体を突く。


「ああ、すまない」

ロットはサスティンが怒っているのに気付いたらしく、申し訳なさそうに手を合わせた。


そして一歩前に出て、門番やエセル達の顔を交互に見ながら言った。


「私の古い友人、サスティンだ。そしてこんにちはお嬢さん方」


ロットはエセル達に気付き、ニコッと笑った。


フードの上からでも自分たちは女であると分かったらしい。