アイナは自分達を知っていた。
それに国中の人々が行き交う大都市だ。
なるべく顔は隠しておいた方がいいだろう。
外壁には三人の鎧を纏った男が威厳を漂わせながら立っていた。
昔、大空を優雅に飛び回っていたとされる龍の炎のように赤い鱗のような鎧は日差しに当たって、ぴかぴかと光っているようだ。
腰には剣があるのが分かった。
それが妙に目に入る。
「止まれ」
門番はエセル達をずっと見ていたようだ。
三人の門番のうち一人がこちらをギロリと睨みつけている。
一際目を引く赤い髪をしており、その髪は鎧よりは少しダークがかった色だった。
「ロットか?」
エセルの隣で声が聞こえた。
サスティンだ。



