あの時、三人それぞれに何か言う言葉にしたってもう最後だとでもいうような口調で、エセルは妙な胸騒ぎがしてならなかった。


エセルは昔から自分の気持ちが落ち着かなかったり、胸騒ぎがしたりする時は直感的にいつも、ああこれから何だか悪い事が起きるんだな、と思う。


今回もそうだった。


自分のこんな現実的ではない感覚的な事を信じ切っている訳ではないのだが、様々な経験をしてきたエセルにとってそれは信じられるものだった。確実ではないけれど、でも確かに。


だから怖い。あの人は本当に大丈夫なのだろうか。


エセルはふと、後ろをちらっと振り返った。


もういつものように後ろでみんなを見守ってくれる人はいないというのに。