「では……」
そんな中、レオルの低い声が耳に届いた。
レオルは再び三人に向き直っている。
「元気でな」
その一言を口に出すと、レオルは後ろ姿になって東に向けての道に歩いて行こうとする。
その時、エセルの中のさっきのもやもやしたものが急に体を冷やりと走った。
そしてさっきのもやもやの正体が分かった。
さっきのはフェリアに対する嫉妬だったのだろう。そんな事をしている場合ではないのに。
そんな自己嫌悪の前に冷たい、緊張のような焦りのような気持ちが溢れ出した。
――レオルはもういなくなる。
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