エセルはまた弓に変換させる為、呪文を唱えようと杖を前に突き出した。


「待って」


そんなエセルを前にいつの間にか両手を広げてフェリアが立っていた。


「彼女は戦う気がないらしいわ。イエローバードは戦闘用の魔物じゃない。移動専門の魔物よ」


エセルはまた空を見上げた。


確かにフェリアの言った通りらしく、旋回してまた南の方向へ帰っていくようだ。


太陽の国へと戻っているのか。


それともまた別の場所へ?


どちらにせよ、南には太陽の国がある。