月と太陽Ⅲ




「―――!」


諦めかけた時、エセルは前をパッと向いた。


いや、まだある。少し方法を変えれば!


「サスティン」


凛とした低い声で、少し前にいるサスティンに呼び掛けた。


そして、抑えた声でひそひそと小声で伝えた。


「どう足掻こうとこの子は倒せないのに…」


そんな様子を見て、アイナはふっと笑う。そして、うっとりとした目でベーチスを見つめた。


「ああ、分かった」


エセルが手短に内容を説明し終わると、サスティンはゆっくりと頷いた。


「じゃ、行くわよ」