それを聞いたアリーセはすかさず反論した。
――今度は口の中に何も入っていなかったが。
「自分らしくオシャレするんだよ。フリフリのドレス着なくちゃいけないとか思ってない? それは貴方のママのせいね。いつもとは少し違った感じでいいのよ。ね? お婆さん」
「そうだよ、ネム。何もマルティナの望む格好をしなくてもいいんだ。ネムのお気に入りの、それでいて特別な日に着たいと思える服装をすればいいんだ。分かるだろう?」
ネムは少し考え込んで、分かったと言った。
その頃には皆食べ終わり、デザートのパンプキン・パイを食べ始めているところだった。
そして、お婆ちゃんの右手も魔法薬の調合を終えたらしい。


