「そうかい、そうかい。それは良かった。どんどんお食べ」
お婆ちゃんは嬉しそうに頷き、ネムのほうを見た。
「ネム。明日はお祭りだからね、いったん家にお帰り。そしてオシャレをしなさい。こないだの誕生日のときだって、いつもの格好で着ただろう」
「えーっマジで!? あたしでさえオシャレするよ!?」
アリーセは口の中にパンを入れたまま笑ったので、もう少しで口から出たパンがビーフシチューの中に入るところだった。
飛んだパンを恥ずかしそうに魔法ですぐ消したが。
「もう、嫌ぁね、アリーセ。食事の時は行儀よくしないと風のエルフに嫌われるわよ。だってそう聞いてるもの」
クスクス笑っているロミルダを無視して、ネムは話を続けた。
「うーん。いつものあたしじゃないみたいな気がして。しかもオシャレって恥ずかしいじゃない。なんかカッコつけちゃってるような気がするのよ」


