「初めまして、皆様。そしてご挨拶が遅れたこと、どうぞお許しください」
カイザー……もとい陽汰は深々とお辞儀をした。
身分の上の者に挨拶する時のように、片手を胸元まで上げ、もう片方の手は後ろに回し腰の辺りで止めながら。
ロミルダは挨拶をし返した。
――お婆ちゃんにした時のように。
ベルホルトは頷いただけだった。
そして、ディルクは陽汰をじっと見つめている。
アリーセはうっとりした顔で見つめていて、それを見たアーベルは不機嫌そうに鳴いた。
「この子はカイザー。お婆ちゃんの知り合いのお孫さんなの。宜しくね。」


