「明日は夏祭りだからロミルダと遊びに来たの! そうそう! 彼女ったら旦那様が居るのよ! あぁ、あたしから言っちゃった。ごめんねロミルダ」
言い過ぎたと思い、アリーセはロミルダの頬に優しくキスをした。
「いいえ。構わないわ。タイミングなんて風のようなものだって知っているもの。それよりお婆様、ご機嫌いかが?」
そう言うとロミルダはスカートの両端を軽くつまみあげ、軽く膝を曲げた。
「あたしは元気さ! 後でたっぷりお話を聞かせておくれ。ネム! カイザーを皆に紹介しておやり。あたしはもう少し時間がかかりそうだからね」
お婆ちゃんは、またネムにウィンクをしてみせた。
なぜウィンクをしたのか、やっと分かったようだ。


