そうこうしているうちに、お婆ちゃんの家に着いた。
久しぶりに会うので、アリーセとロミルダはわくわくしているようだ。
ベルホルトはというと……なんだか緊張しているように見える。
さっきよりも背筋がピンとしているので、思わずネムは笑ってしまった。
「おばあちゃーん! 居る~?」
いつもなら勝手に入るのだが、他に数名客人がいるので扉の外から話しかけた。
少し待ってみたが、なんの応答も無い。
もしかして、陽汰の事がバレたくないから居留守してるのかな……
ネムはそう思ったが、アリーセ達をお婆ちゃんに会わせたかった。
久しぶりという事もあったし、ベルホルトもいるからだ。
ディルクは、このまま引き返したい気持ちでいっぱいだった。
ここに来なければ、こんなにハラハラすることは無かったのに・・・と、心底後悔していた。
しばらくして、扉が勝手に開いた。
――まるで勝手に入れと言わんばかりに。


