「何こそこそ喋ってんの? もう買い物は済んだの? 済んだらさっさと出発~♪」
「そうよ。あまりここで立ち話するのも良くない気がするの。だってさっきから雲が凄い速さで動いているもの」
ネムはちらりと雲を見たが、大して速さは変わらないのではと思ったが、あえて言わなかった。
変わりに肩をすくめて見せ、東の森に向けて歩き出した。
久しぶりに会った仲良しの友達と、話はとても盛り上がった。
先生の話、それぞれの両親の話、守り猫の話。
それに魔法の勉強の進み具合など……
ディルクはというと、ベルホルトの肩に乗り、楽しそうに話している。
反対側の肩にはアリーセの守り猫、アーベルが乗っている。
それに気付いたネムはびっくりしていた。
陽汰と話そうともしないディルクが、初対面の男と話すなんて……
それも肩に乗り、あんなに楽しそうに。


