「えっと、始めまして。ベルホルトと言います。僕は……その」
中々切り出せないのを見かねて、ベルホルトの隣にロミルダが進み出てきた。
「彼、私の旦那様なのよ。とってもハンサムでしょう?ただ、ハムが大嫌いだけどね」
ネムは驚いて口を大きく開けたままだった。
「そうなの!? ごめん! お祝いできなくて。というか、だからロミルダに守り猫が居なかったのね。なら聞きたいんだけど……」
「だめよ。これは私達の国の掟。口が裂けても言えないわ。うーん、そうね。あの子、アルトリートとはいつまでも一緒よ。今はいないけど」
そしてロミルダは少し切ない表情をしてみせた。
「居なくなる時はとても寂しかったのを覚えてる。ごめんなさい、ここまでよ。これ以上話すと回りの草花が怒りだすもの。」
ネムは残念そうな顔をしたが、おめでとうと心から伝えた。


