アリーセの後ろの方から、控えめに手を振っているロミルダは、とても不思議な少女である。
髪の色と瞳の色は、黒いのだが光の当たり具合で緑色に見える。
そして性格も少し謎めいているが、人一倍心優しく、そして自分の信念を貫き通すところがある。
「こんにちわ。とてもいい天気ね。ただ、ちょっと風の力が足りないけど」
くすっと笑ったロミルダの言葉の意味を理解できなかったので、大げさに肩をすくめてみせた。
そしてさっきから気になっている男の子の事が頭から離れないでいた。
「こっちの男の子、誰? どこの国の子なの??」
やっと自分の番が来たとばかりに、その男の子は前に出た。
背はそれほど高くなく、同い年くらいに見える。
別に服装も違和感がなく、髪の毛を見る振りをしてさりげなく首の後ろを見たが刻印はきちんとあった。
髪は少し短めで清潔な印象を与える青年が気になって仕方なかった。
会ったこともないけれど、とても懐かしいような感じがする。


