「ほとんどお店閉まってるね。お祭りって明日だよね?今日からお店閉めちゃうなんて不便!」
「ネムーっ!!」
急に呼ばれて、ネムはびっくりしつつも声のしたほうを振り返った。
「えっ!? あぁっ! あなた達! 元気だった!?」
ネムの方に走って来たのは、同い年のアリーセとロミルダ、あとは知らない男の子だった。
アリーセとロミルダは、前に住んでいた街のご近所さんである。
一番初めにネムとハグをしたアリーセは、ゆるいパーマがかかったような金色の髪をしている。
吸い込まれそうな澄んだ青い瞳に惹かれてネムから話しかけたのが始まりだ。
物凄い活発的で、だけど時折見せる少女のような笑顔がネムはとても好きだ。
「アリーセ~! 今日も素敵な笑顔だわ」
「ははっ。ありがとう! あなたも可愛いよ」
そしてアリーセはネムから離れると、ディルクにウィンクをした。


