ディルクに告げると、言葉通り、そーっと部屋に戻った。 忍び足などしなくてもディルクは足音が響かないのだが、一応ネムに付き合ってあげた。 ネムは部屋の真ん中にあるランプに灯りをつけ、ベッドにもぐりこんだ。 「ふふっ。お日様の匂いがするね」 ディルクは返事の変わりに尻尾をパサリと振った。 風が強いせいか、窓がたまに音を立てた。 雨は降っていないがなんだかジメジメする。 「ねぇ、ディルク……」 「どうした?」 眠る間近だったのか、トロンとした顔をしながらディルクがネムのほうを見た。