「陽汰……座りなさい。ほら、これでも飲んで」
お婆ちゃんはそう言って椅子に座った陽汰の前にスープを差し出した。
褐色のカップからは淡いピンクの湯気がもくもく出ていた。
肝心のスープの色は、乳白色で具は何もない。
「これは……?」
「はじめて見るだろう?向こうの世界には無いだろうからね」
お婆ちゃんは得意気に言うと、自分のスープを一口飲んでから話し始めた。
「ふんわりマシュマロとキャラメルのスープって言うんだ。もっとも……皆はふんわりスープって呼んでいるけどね」
そう促され、おそるおそるスープを口にした。
――その途端、陽汰の顔が一気に笑顔に変わった!
「凄い美味しい!! 本当にふんわりって感じなのにまろやかだし、えぇっと……なんて説明したらいいのか分からないけどとにかく美味しいです!」
陽汰は夢中で飲み干した。
喉だけでなく、心も潤してくれるようなそんな味わいにとても満足しているようだ。
「そうかいそうかい。それは良かった。沢山作ったからね、おかわりしておくれ」


