「よいだろう、その願い、我は従おう。しかし我を呼んだ時に再びその人間が居たならば、その時の報酬はその人間をもらうぞ。必ずな」
そう言うと物凄い速さでヤルモに駆け寄り、首元に噛み付いた。
そしてそのまま首を噛み千切り、驚く早さで肢体を次々解体し、あっと言う間に全て飲み込んだ。
残ったのはヤルモから溢れ出た血と、ちぎれた衣服が少々。
しばらく耳を済ませていたネムも、辺りが静かになると恐る恐る目を開け、皆の安否を確認した。
ついさっきまでヤルモが居た場所に血溜りがある事は忘れることにした。
陽汰の傷はとっくに治り、一部始終を見ていたのだろうか……目が開いていた。
――相変わらず木の枝を握ったままで


