「……っ! わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ――ふいに、叫び声がしたその刹那、ネムは真っ先にその影の元へ飛び出した。 「ヨータの声! 間違いない!」 お婆ちゃん、ディルクも後に続いた。 そこで目にしたものは―― 恐怖のあまり腰を抜かしてしまったであろう陽汰と、その前にはヨダレを垂らしたヤルモが立っていた。 よく見ると、陽汰の右手には木の枝が握られていて、左の頬からは血が出ていて、ひどく傷ついている。 戦おうとして返り討ちにあったのだろう。